サウナブームの影響で、新しくサウナに通い始めたという方も多いのではないでしょうか。しかし、いざサウナに入ろうとすると「サウナには何分入ればいいの?」「何セット繰り返すのが正解?」といった疑問が湧いてくるものです。
せっかくサウナに行くなら、最大限にリラックスして、心身ともにリフレッシュできる「ととのい」を体験したいですよね。サウナの楽しみ方に厳格な決まりはありませんが、心地よさを引き出すための目安となる時間や回数は存在します。
この記事では、サウナ初心者が知っておきたい基本的な入り方から、その日の体調に合わせた調整方法まで詳しく解説します。自分にとって一番心地よいサウナのペースを見つけるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
サウナは何分何セットが目安?「ととのう」ための基本ルーティン

サウナの基本的な入り方は、「サウナ・水風呂・外気浴(休憩)」の3つを1セットとして考えるのが一般的です。まずは、多くの方が実践している標準的な目安から確認していきましょう。
サウナ室での理想的な滞在時間
サウナ室に滞在する時間の目安は、一般的に8分から12分程度と言われています。この時間は、体が芯まで温まり、じわじわと汗が噴き出してくるまでの平均的な長さに基づいています。
ただし、サウナ室の温度設定は施設によって80度から100度以上まで幅広いため、一律に時間を決めるのは難しい側面もあります。まずは「背中の真ん中あたりまで温まってきたな」と感じるくらいを目安にしてみてください。
初心者の場合は、無理をして長く入る必要はありません。最初は5分程度から始めて、少しずつ体を慣らしていくのがおすすめです。苦しくなったら我慢せず、自分のペースで外に出ることが大切です。
水風呂に入る時間の目安
サウナから出た後は、かけ湯やシャワーで汗を流してから水風呂に入ります。水風呂の滞在時間は、30秒から2分程度が目安とされています。水風呂の冷たさによって、血管を急激に収縮させる効果があります。
初めて水風呂に入る際は、1分も入っていられないと感じるかもしれません。その場合は、無理をせず「肩まで浸かって10秒数える」といったところからスタートしてみましょう。冷たさに慣れてくると、体の表面に「羽衣(はごろも)」と呼ばれる温度の層ができ、冷たさが和らぐ瞬間が訪れます。
水風呂は、サウナで温まった熱を逃がさないようにするためのステップでもあります。冷えすぎると逆効果になることもあるため、自分の指先や足先が冷たくなりすぎる前に出るのがコツです。
外気浴(休憩)の重要性と時間
サウナと水風呂の後に欠かせないのが、外気浴や室内での休憩です。この休憩こそが、自律神経を整えて「ととのう」感覚を味わうための最も重要なプロセスとなります。時間は10分から15分程度、ゆっくりと確保しましょう。
水風呂から出た後は、体をしっかりとタオルで拭き、椅子やリクライニングチェアに深く腰掛けます。何も考えず、じっと目を閉じて自分の鼓動や呼吸に意識を向けてみてください。血液が全身を巡るような、心地よい感覚に包まれるはずです。
冬場の屋外など、環境によっては体が冷えすぎてしまうこともあります。寒さを感じたら、足にお湯をかけたり、休憩を切り上げて次のセットに進んだりするなど、臨機応変に対応しましょう。足元が冷えないよう、サンダルや足湯を活用するのも一つの方法です。
繰り返す「セット数」の決め方
サウナ・水風呂・外気浴のルーティンを何セット繰り返すかについてですが、一般的には3セットが標準的と言われています。1セット目で血行が良くなり、2セット目でさらに深まり、3セット目で深いリラックス状態に入るという流れです。
しかし、セット数に正解があるわけではありません。その日のスケジュールや体力に合わせて、2セットで切り上げても良いですし、余裕がある時は4〜5セット楽しんでも構いません。大切なのは、回数にこだわって義務感で入らないことです。
多くのセットをこなそうとすると、逆に疲労が溜まってしまうこともあります。サウナを出た後に「あぁ、スッキリした」と心から思える回数が、あなたにとってのベストなセット数といえるでしょう。自分の心と体の声を聞きながら調整してください。
サウナ室で過ごす「何分」を決める時のチェックポイント

サウナ室での滞在時間を決める際、時計の針だけを頼りにするのはあまりおすすめできません。環境や体調は毎日変わるため、多角的な視点で判断することが重要です。
時計ではなく自分の感覚を大切にする
サウナ室に設置されている12分計を眺めながら、「あと2分我慢しよう」と頑張ってしまうことがあります。しかし、サウナの目的は我慢大会ではなく、リラックスすることです。そのため、時間よりも自分の感覚(主観)を優先してください。
「息苦しさを感じ始めた」「心拍数が上がってきた」「もう十分温まった」と感じたら、それがあなたの出るタイミングです。その日の外気温や湿度の影響で、同じ10分でも体にかかる負荷は大きく変わります。
特に体調が優れない時や、睡眠不足の時は、普段よりも早く限界が来ることがあります。数字に縛られすぎず、「気持ちいい」と感じる範囲で切り上げる勇気を持つことが、長くサウナを楽しむための秘訣です。
心拍数を指標にする新しい入り方
最近では、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを使用して、心拍数を基準にサウナ室を出るタイミングを決める方も増えています。これは、客観的な数値で体の負担を把握できる非常に合理的な方法です。
目安としては、安静時の心拍数の約2倍になったタイミングでサウナ室を出るのが良いとされています。例えば、普段の安静時が60回/分であれば、120回/分程度になったら水風呂へ向かうというイメージです。
心拍数を確認することで、主観的な「まだいける」という過信を防ぎ、適切なタイミングで休憩を挟むことができます。ただし、デバイスの使用が禁止されている施設もあるため、利用規約を確認した上で活用するようにしましょう。
座る場所(高さ)による温度の違い
サウナ室は、座る場所の高さによって温度が大きく異なります。空気は熱くなると上に溜まる性質があるため、上段ほど高温になり、下段ほど温度が低くなります。この段差による温度差を理解しておくと、時間の調整がしやすくなります。
例えば、上段に座る場合は熱気が強いため、滞在時間は短めの6〜8分程度でも十分に温まります。逆に、下段に座ってじっくりと汗をかきたい場合は、12分から15分ほどかけてゆっくり体を温めるのが効果的です。
その日の気分によって、「今日は熱い刺激が欲しいから上段で短めに」「今日はゆっくりリラックスしたいから中段で長めに」といったように、座る場所を使い分けるのも楽しみの一つです。混雑状況を見ながら、自分に合ったポジションを探してみましょう。
水風呂と外気浴を組み合わせるコツと時間の配分

サウナ室を出た後の行程こそが、自律神経の切り替えに大きな影響を与えます。水風呂と外気浴をどのように組み合わせれば、より深いリラックス効果を得られるのでしょうか。
水風呂で体を締める適切な時間
水風呂は、サウナで拡張した血管を急速に収縮させる役割を持っています。この急激な変化が、後の休憩時に血液が勢いよく流れる要因となります。滞在時間の目安は、喉の奥が少し涼しく感じられた時と言われています。
水風呂に入ってじっとしていると、体の周りに温かい水の膜(羽衣)ができます。この状態で1分ほど過ごすと、心拍数が落ち着いてきます。水温が15度前後の場合は1分程度、20度近いぬるめの設定なら2分ほど入るのが一般的です。
冬場など、もともとの体温が低い時期は、水風呂の時間を短縮しても構いません。足先や指先がジンジンと痛むような感覚があれば、それは冷やしすぎのサインです。水風呂から出た直後に体が震えない程度の時間を見極めましょう。
外気浴で脳と体をリラックスさせる
サウナ・水風呂を経て、最も至福の時間が外気浴です。ここでは「何分休むか」よりも「いかにリラックスできるか」が問われます。基本は10分程度ですが、体が完全に落ち着くまで休んでください。
外気浴中は、副交感神経が優位になり、脳内で多幸感をもたらす物質が分泌されると言われています。この状態をキープするために、できるだけ静かな環境で、ゆったりとした呼吸を心がけるのがコツです。風の流れを肌で感じ、空を見上げる時間は格別です。
もし屋外が寒すぎる場合は、室内にある椅子や、脱衣所のベンチで休むのも良いでしょう。体が冷え切ってしまうと、次のセットで温まるのに時間がかかってしまいます。自分の肌が冷たくなりすぎないうちに休憩を終えるのが、次のセットへのスムーズな移行に繋がります。
水分補給のタイミングと回数
サウナでは1回の利用で300mlから多い時で1L近い水分を失うと言われています。そのため、時間の管理と同じくらい大切なのが水分補給です。セットの間だけでなく、サウナに入る前と後にも必ず飲むようにしましょう。
喉が渇いたと感じる前に飲むのが鉄則です。おすすめは、セットごとの休憩(外気浴)の後にコップ1杯程度の水を飲むスタイルです。冷たすぎる水は胃腸に負担をかけることもあるため、常温の水やスポーツドリンクを少しずつ飲むのが理想的です。
最近では、ビタミンやミネラルを補給できるサウナ専用のドリンクも人気です。こまめに水分を摂ることで、血液の濃度が高まるのを防ぎ、安全にサウナを楽しむことができます。水分をしっかり摂れば、汗の出も良くなり、より爽快感を味わえるでしょう。
理想的な水分補給のスケジュール
・入浴前:200〜400ml(発汗の準備)
・セット間の休憩中:100〜200ml(失った分の補充)
・入浴後:300〜500ml(全身のケア)
体調やサウナの種類に合わせて調整する方法

サウナと一口に言っても、その種類や設定は様々です。また、その日の自分のコンディションも一定ではありません。状況に応じて「何分入るか」を賢く調整しましょう。
高温ドライサウナの場合の調整
日本の銭湯やサウナ施設で最も一般的なのが、湿度が低く温度が高いドライサウナです。90度から100度近くまで温度が上がるため、肌への刺激が強く、体感温度は非常に高くなります。そのため、滞在時間は短めの6分から10分程度にするのが無難です。
ドライサウナは空気が乾燥しているため、喉や鼻の粘膜がヒリヒリすることがあります。そんな時は、濡れタオルを口元に当てたり、サウナハットを被って頭部を熱から守ったりすることで、少し長く滞在できるようになります。
もし上段が熱すぎると感じたら、すぐに下段へ移動しましょう。無理をして高熱を浴び続けると、皮膚が乾燥しすぎたり、髪の毛が傷んだりする原因にもなります。無理のない範囲で、しっかりとした発汗を目指してください。
セルフロウリュやアウフグース時の注意
サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」がある場合、体感温度は一気に跳ね上がります。特にスタッフがタオルで熱波を送る「アウフグース」の際は、普段の8分が非常に長く感じられるはずです。こうしたイベント時は時間にこだわらず、限界を感じたらすぐに出るようにしてください。
蒸気が発生すると湿度が上がり、熱が体の深部まで伝わりやすくなります。これは非常に効率よく温まれるメリットがある反面、急激に心拍数が上がるリスクもあります。イベントの途中であっても、退出することは恥ずかしいことではありません。
自分の体調と相談しながら、最後まで完走することよりも、その後の水風呂をいかに美味しく(心地よく)味わえるかを重視しましょう。ロウリュ後の熱波は刺激が強いため、普段よりもしっかりと水風呂で冷やす調整が必要になります。
湿度が高いミストサウナでの過ごし方
ミストサウナやスチームサウナは、温度が40度から50度程度と低めに設定されていますが、湿度が非常に高いため、じっくりと時間をかけて温まるのに向いています。滞在時間は15分から20分程度と長めに取るのが一般的です。
体への負担が少ないため、高温サウナが苦手な方や初心者の方にもおすすめです。じんわりと毛穴が開いていくのを感じながら、リラックスした状態で過ごせます。時間は長くなりますが、喉への負担が少ないのが魅力です。
ミストサウナの後でも水風呂に入ることは可能ですが、体がそれほど過熱されていない場合は、ぬるめのシャワーで済ませるという選択肢もあります。その後の休憩も、外気浴ではなく室内で静かに過ごすことで、マイルドなリフレッシュ効果が得られます。
湿度の高いサウナでは、肌の保湿効果も期待できます。時間をかけて入ることで、美肌効果やデトックス効果をより実感しやすくなるでしょう。
安心・安全にサウナを楽しむための注意点

サウナは健康に良い効果がたくさんありますが、入り方を間違えると体に大きな負担をかけることにもなりかねません。安全に何セットも楽しむための注意点を確認しておきましょう。
無理な我慢は厳禁
サウナで最も避けるべきは、他人の目や時計の数字を気にして「無理な我慢」をすることです。特に「あと1分だけ頑張ろう」という意識は、立ちくらみや熱中症のような症状を引き起こす危険性があります。少しでも気分が悪くなったら、迷わずサウナ室から出ることを徹底してください。
また、サウナ室から出た直後の「かけ湯」や「水風呂」の際も注意が必要です。急激な温度変化により、血圧が乱高下する「ヒートショック」という現象が起こる可能性があります。まずは足元から少しずつ水をかけ、体を水温に慣らしてから水風呂に浸かるようにしましょう。
体調は、その日の食事の内容や前日の睡眠時間によっても変わります。たとえ昨日は12分入れたとしても、今日は8分で限界ということもあります。「自分の体と対話する」ことを忘れずに、安全第一で楽しみましょう。
アルコール摂取後や食後すぐの禁止
お酒を飲んだ後のサウナは、非常に危険ですので絶対に避けてください。アルコールには利尿作用があり、ただでさえ脱水症状になりやすい状態です。その状態でサウナに入ると、血液がドロドロになり、血栓ができやすくなるなど、命に関わる事態を招きかねません。
また、食後すぐの入浴も避けるのが望ましいです。食事の直後は消化のために血液が胃腸に集中していますが、サウナに入ると血液が全身へ分散してしまい、消化不良を起こす可能性があります。目安として、食後1時間から2時間程度は時間を空けるようにしましょう。
空腹すぎてもサウナ中に低血糖で倒れるリスクがあるため、バナナなどの軽い軽食を摂っておくのが理想的です。万全のコンディションで入ることが、最高のサウナ体験への近道です。
持病がある場合の医師への相談
高血圧や心臓疾患、糖尿病などの持病がある方は、サウナの熱刺激が体に大きな負担をかける可能性があります。定期的に通院している場合は、事前に主治医に「サウナに入っても問題ないか」を相談してください。
また、風邪気味の時や、体に炎症がある時もサウナは控えるべきです。サウナは体力を消耗するため、病気の治りが遅くなることがあります。「サウナで汗をかけば風邪が治る」というのは誤解ですので注意しましょう。
自分の健康状態を把握し、必要であれば温度の低いサウナを選んだり、水風呂を避けたりするなど、自分なりのセーフティラインを設けることが大切です。無理のない範囲で、長く健康的にサウナと付き合っていきましょう。
| チェック項目 | OKな状態 | NG・注意な状態 |
|---|---|---|
| アルコール | 飲んでいない | 少しでも飲んでいる(厳禁) |
| 食事 | 食後1.5時間経過 | 満腹、または極度の空腹 |
| 水分補給 | 入浴前に摂取済み | 長時間水分を摂っていない |
| 体調 | いつも通り元気 | 睡眠不足、だるさがある |
まとめ:サウナは何分何セットを自分のペースで楽しもう
サウナの入り方に絶対的な正解はありませんが、一つの目安として「サウナ8〜12分・水風呂1〜2分・外気浴10分」を3セット繰り返すスタイルが多くのサウナーに支持されています。この基本をベースにしながら、その日の気温やサウナ室の温度、そして何より自分自身の体調に合わせて柔軟に調整することが、心地よく「ととのう」ための近道です。
一番大切なのは、時計の針や周りの人の動きを気にするのではなく、自分の心拍数や肌の感覚、そして「気持ちいい」という直感を信じることです。無理をして長く入るよりも、自分が最もリラックスできる時間配分を見つける過程こそが、サウナの醍醐味と言えるでしょう。
水分補給をしっかりと行い、無理な我慢はせず、安全に配慮しながらサウナを楽しんでください。自分だけのベストなルーティンが見つかれば、日々の疲れをリセットし、明日への活力を養う素晴らしい習慣になるはずです。ぜひ、次回のサウナからこの目安を参考に、自由な感覚で楽しんでみてください。



